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少し時間が経ってしまいましたが、スマートグリッド業界のプレーヤーを概観するため、GTMリサーチ社の調査レポート『2010年のスマートグリッド:市場セグメント、アプリケーションおよび業界のプレーヤー』の5章を簡単にまとめようと思います。

なお、従来どおり、文字色=緑の部分は、筆者の追記部分です。それと、また、一部筆者の思いがはいった超訳(跳躍?)になっているかもしれないので、予めお断りしておきます。

5 分野ごとの関連企業プロフィール

5章では、以下の分野で、スマートグリッド市場の主要なソリューションプロバイダーのプロフィールを紹介する:
①アドバンストメータリング
②AMIネットワーキングと通信
③デマンドレスポンス
④グリッド最適化と配電自動化
⑤ソフトウェア
⑥ホームエリアネットワーク(HAN)
⑦上記①から⑥のいくつかの市場分野にまたがる大企業。

なお、スマートグリッドを構成する市場区分によって、市場の成熟度は異なっている。例えば、5.1節には、世界中でトップランクのスマートメーター製造業者リストを示した。業界第一位がアイトロンか、GEか、はたまたランディス+ジルかといった議論はあるかもしれないが、それらはみな、スマートメーターの大企業であることに変わりはない。
一方、スマートグリッドを構成する市場区分のもう一端であるHANの領域では、まだ混沌としている。そのため、本来含まれるべき企業(中には莫大な資金を調達した企業もある)が、このレポートでは選ばれていないかも知れない。
とは言え、ここに示すHAN関連業者リストには、ほとんどの優秀且つ有望なエネルギー管理ポータル会社の代表が含まれていると考えている。

5.1 AMI-アドバンストメータリングおよびネットワーキング/通信

5.1.1エシュロン:Echelon

エシュロンはAMIメータリングおよびネットワークのソリューション会社で、電力線通信インフラでは、現在まで最大のスマートメーターを展開している。イタリアの公益企業エネル社のプロジェクトでは、3000万台を超えるスマートメーターが成功裡にネットワークにつながれている。

エシュロンのスマートメーター・ビジネスはNES(Networked Energy Services)と呼ばれ、電力線を通してスマートメーターのデータが集約器に集められ、そこからは、IPベースの通信ネットワークで電力会社に情報が渡される。サービス開始からまだ5年しか経っていないが、NESは会社の収益の約半分を占める。他の半分は、Lon Worksと呼ばれるAMIのネットワーク・ソリューションである。競合には、アイトロン(Itron)、エルスター(Elster)、シルバースプリング・ネットワーク(SilverSpring Networks)、トリリアント(Trilliant)、スマートシンク(SmartSynch)、ランディス・ジル( Landis+Gyr)、GEその他のAMIメータリング/ネットワーキング・プロバイダーがいる。

製品ラインには、ネットワークインフラ製品と、LonWorksインフラの製品ラインがあり、トランシーバーやデータ集約器と、その制御モジュール、ルーター、ネットワークインタフェース、開発ツールおよびソフトウェアツールキットが含まれる。電力業界向けに、電力会社と需要家を結ぶ双方向の情報および制御経路を備えるオンラインエネルギーサービスシステムを提供。また、道路照明、遠隔設備監視およびエネルギー管理市場で役立つ、システムインテグレーター向けインターネットサーバ・ファミリーi.LONも持ち、
ビル、産業、運輸、公益企業、住宅その他の自動化市場に製品を提供している。

活動地域は、主に米国、中国、フランス、ドイツ、香港、イタリア、日本、朝鮮、オランダおよびイギリス。1988年に設立され、本部はカリフォルニア州サンノゼ。

【展開】

エシュロンは、これまでヨーロッパで150万台メーターを設置しており、更に数百万台の設置に関してEUと契約を交わしている。(ヨーロッパにおいて進行中の90を超すスマートメーターのパイロット・テストに関わっている)
また、イタリアの電力会社エネル向けに3000万台以上のスマートメーターを取り扱う電力線ネットワーキングを実現した。北米では唯一、ノースカロライナ州シャーロットに本拠を置くデューク・エナジーとスマートメーター契約を結んでおり、シンシナティのプロジェクトで約6万台のメーターを設置している。そのプロジェクトでも、データ集約器までのデータ収集には電力線搬送を用いる。その後は、携帯電話、無線通信、光通信のネットワークが使われるが、詳細は明らかにされていない。

【最近のニュース】

2009年4月後半に、エシュロンは、スマートメーターに携帯無線モジュールを付け、電力会社・メーター間のデータ伝送にTモバイルの携帯無線ネットワークを使用すると発表。
注:これは、ほとんどの電力会社がRFメッシュモデルを使用している米国にあって2009年発表された、スマートメーターと携帯電話が協力する最新事例。AT&Tは、AMIネットワーク・プロバイダーのSmart Synch社と、同様の協力を2009年3月に発表している。

アナリスト メモ】

エシュロンのシステムは米国ではそれほどポピュラーではなかった。ここでほとんどの電力会社は、RFメッシュあるいは他の無線通信を用いており、電力線ネットワーキングに関連してはコスト高になるとしていた。エシュロンが2009年3月リリースしたLonWorksプラットフォーム(バージョン2.0)では、旧システムと比べて50%コスト低減が可能としている。ドイツ銀行証券アナリストによれば、デューク・エナジーは今後5年間でスマートメーターを400万世帯全体に設置するために10億ドルを費やす計画をしている。デューク・エナジーのパイロットテストでエシュロンのソリューションの有効性が証明されれば、更に大きなプロジェクトに向けて弾みがつくだろう。

5.1.2 エルスター:Elster

エルスターはアドバンストメータリング・インフラ(AMI)の主要なプロバイダーの1つで、スマートメーター自体と、スマートメータリング用ソフトウェアおよびネットワーク・ソリューションの両方を販売。現在まで世界中で200万台以上のスマートメーターを設置。競合は、アイトロン、ランディス+ジル、GE、センサス:Sensus、エシュロンその他AMI分野のリーディングプレーヤー。

エルスターは、シルバースプリング・ネットワークおよびトリリアントと同じく現在北米で最もポピュラーな900MHzのRFメッシュネットワークのソリューションを提供。提供するスマートメーターはレックス:Rex、そのAMIメッシュネットワーク・ソリューションはEnergyAxisと呼ばれている。
電気だけでなく、ガス、水道事業者向けの、AMIおよび、統合メータリングソリューションにフォーカスしたビジネスを展開し、のスマートメータリング・システム・ソリューションは、デマンドレスポンス・プログラム、スマートグリッド・アプリケーション、および業務効率化機能を通して公益企業に、企業全体にまたがる価値創造。
エルスターのAMI/AMR製品、システムおよびソリューションは、170年以上この業界で培ってきた経験に基づいている。エルスターグループは北米、南米、ヨーロッパおよびアジア中心に、全世界38か国に事業展開しており、7,500人以上のスタッフを有している。

【AMI製品情報】

エルスターのREXメーターは住宅用電子メーターで、消費電力量(kWh)を計測するだけでなく、双方向通信を用いて、TOU(時間帯別)価格、ロードプロファイル記録、売買電力量計測などのデータ授受を行える。
REXメーターには双方向のRF通信装置が内蔵されており、免許不要の900MHz無線LANでデータを送受信できる。

また、EnergyAxisシステム上、REXメーターはリピーターとして働くとともに、メーターを設置すると、システムに自動登録される。
EnergyAxisは、様々な料金体系のビリング処理を容易にし、システム情報収集、アカウント管理の自動化、(停電、不正行為、その他のシステム異常のような)いろいろなイベントの検知・警告機能を提供する。

【アナリスト メモ】

エルスターは、アリゾナ・パブリックサービスと、80万台のスマートメーターの導入展開中だが、(アイトロン、GE、センサスおよびランディス+ジルとは異なり)主な北米の公益企業とAMI契約ができていないので、完全なAMIソリューションを早くから提供しているプロバイダーにも関わらず、あまり注目されていない。

5.1.3 ゼネラル・エレクトリック:General Electric

GE/GEエナジーは、アドバンストメータリングの世界ではトップ3の1つ。アイトロンやランディス+ジルのような競合会社と異なり、GEは物理的なメーターを提供するが、ネットワーク/通信インフラは提供していない。提供される「スマートメーター」は、電力会社とエンドユーザー間の双方向通信を支援する。

GEエナジー(www.ge.com/energy)の2008年の収益は293億ドルで、発電および電力流通技術で世界をリードする企業の1つである。ジョージア州アトランタを本拠とし、石炭、石油、天然ガス、原子力から、水力、風力、太陽光、バイオガスのような再生可能資源、その他の代替燃料まで、エネルギー産業のすべての領域をカバーしている。
多数のGEエナジー製品は、(需要家が喫緊の環境上の課題に対応するのを助ける新技術を積極的に市場投入するという)エコマジネイション: Ecomaginationという、GEの全社にわたるイニシアチブの下で認証されたもの。

【アドバンストメータリング】

GEは、北米で多数の大規模AMI展開に関わっている:
• PG&E:パシフィック・ガス・アンド・エレクトリックの530万台のメーター設置をランディス+ジル社と共同受託。
• AEP:American Electric Power 社の500万台のメーター設置を受託。
• FP&L:Florida Power and Light社やOG&E:Oklahoma Gas & Electricとも大口取引が成立している
注:このレポートの中で、GEはメータリング会社として描かれているが、同時に、ソフトウェアやグリッド最適化のような他のスマートグリッド分野でも競争している。

GEエナジーのスマートグリッド・ソフトウェアソリューションは、電力供給の信頼性と生産性の向上を支援するもので:
①太陽光発電のような再生可能資源の管理や、
②設備の利用率向や耐用期間の最大化、
③そして、一般道やハイウェーの交通渋滞を特定するオンライン・マッピング機能のように、グリッド上の問題箇所を特定する。

【展開

GEは、以下の、北米最大級のAMI契約のいくつかを受託している:
• PG&E、
• AEP、
• FP&Lおよび
• Pepcoホールディングス。

【競争】

アドバンストメータリング分野での競合は、アイトロン、ランディス+ジル、センサス、エルスターおよびエシュロン。

【アナリスト メモ】

テキサス州の電力会社センターポイント:Centerpointのスマートメーター展開では、1~2メガビット/秒の通信速度を可能にするWiMaxを利用している。これは、AMI用のネットワークとして現在主流の(シルバースプリング・ネットワーク、トリリアントおよびエカ・システムズのような)RFメッシュネットワークのデータ伝送速度:50~100キロビット/秒よりはるかに速い。
現時点でメーター・データ収集に使うRFネットワークと、データ集約器以降の通信に使うWiMaxを比較するのは、りんごとオレンジを比較するようなものだが、配電自動化や将来の顧客アプリケーションを視野に入れた場合、RFメッシュネットワークでの通信帯域不足が懸念されている。遅かれ早かれ、いわゆる次世代ネットワークがAMI用ネットワークの世界に登場するものと思われる。そこで、GEは、早晩、WiMax版のスマートメーターをリリースするだろうと噂されている。
しかしながら、一方でFP&Lのスマートメーター展開では、シルバースプリング・ネットワークと手を組んでおり、GEは通信技術に対して二股をかけているように見える。

5.1.4 アイトロン:Itron

アイトロンはアドバンストメータリング・インフラ(AMI)の世界ではトップ3の会社の1つで、AMIソリューションを構成する2つの要素両方を提供している:
すなわち、①スマートメーターそのものと、②スマートメータリング用通信ネットワークおよびソフトウェアである。
主な競合は、ランディス+ジルおよびGE。1977年創業のアイトロン社は、世界中至る所でエネルギー(および水道)市場向けの製品とサービスを提供してきた、メータリング、データ収集およびソフトウェア・プロバイダーである。

アイトロンは、Itron North AmericaとActarisの2つの事部門を持っている:
Itron North Americaは、米国とカナダを主な収益基盤とし、電力計、電力・ガス・水道の自動検針(AMR)、およびアドバンストメータリング・インフラ(AMI)のシステム、ソフトウェアとサービスを提供している。
Actarisは、アイトロンが2008年に16億ドルで買収した会社で、ヨーロッパ、アフリカ、南アメリカおよびアジアを収益基盤とし、電気、ガスおよび水道メーター、AMR、およびAMIのシステムとサービスを提供している。
全世界60か国に事業展開しており、収益のおよそ2/3は国際契約。3,000近くの公益企業がアイトロンの製品およびサービスを使用している。

【メータリング】

顧客と公益企業の間双方向通信を可能にすること以外に、(Centronと呼ばれる)アイトロン・スマートメーターは、ZigBeeアライアンスのチップを内蔵しており、家庭内の機器とも完全双方向通信が可能になっている。したがって、ホームエリアネットワーク(HAN)電気製品およびホームエネルギー管理システム(HEMS)へのゲートウェイとなり、デマンドレスポンスその他の省エネルギーアプリケーションの実施を可能にしている。

【ネットワーキング/通信】

Itron North Americaでは、OpenWayアーキテクチャーに基づいたAMI(スマートメータリング)システムを提供している。OpenWayは、標準規格に基づいたオープン・アーキテクチャのスマートメータリング・ソリューションで、公益企業が、限られたエネルギー供給を管理し、かつ消費者にエネルギー利用状況を提供するのを支援することができる。
OpenWayシステムは、一般の住宅や業務用の電力メーターと電力会社の間での双方向通信を可能とし、データ収集ばかりでなく、一定のコマンドや制御指令をメーターに対して送ることができる。そのコマンドには、電力提供の遠隔開閉、ネットメータリング(電力の売り買いの計測)、クリティカルピーク価格(CPP)のための時刻同期、時間帯別料金やCPPのレジスタ上への表示、インターバルデータの保存、アラームとファームウェアのアップグレードなどが含まれる。

【展開】

北米では、アイトロンは以下の4つの主要公益企業とのAMI契約にこぎつけている:
①サザン・カリフォルニア・エジソン(SCE)、
②センプラ・エナジーのサンディエゴ・ガス・アンド・エレクトリック(SDG&E)、
③ヒューストンのセンターポイント・エナジー(CenterPoint Energy)および
④デトロイト・エジソンの子会社のDTEエナジーである。
サザン・カリフォルニア・エジソンとの取引は現在まで最大で、2012年までに480万台のメーターおよび通信インフラを設置することになっている。この契約の総価格は4億8000万ドル。(SCEが実際に購入するメーター数は530万台だが、そこには電力計とガスメーターが含まれている。また、この契約は、SCEが購入する全メーターの8割を占めている)

【競合】

アドバンストメータリング分野では、ランディス+ジル、GE、センサス、エルスターおよびエシュロンが競合相手である。
AMI通信/ネットワーキング分野では、主としてシルバースプリング・ネットワーク、エカ・システムズ:Eka Systems、ランディス+ジル、エルスターおよびトリリアントが競合相手である。

【アナリスト メモ】
2009年6月、アイトロンは、デマンドレスポンス・プロバイダーのコンバージ:Comverge社との協業を発表。スマートメーターをデマンドレスポンス・ソリューションのゲートウェイとして使用するために両社の技術を統合することにした。それぞれの分野で名を成す両社が協業して提供するソリューションにどれほど公益企業が興味を示すか、非常に興味深い。
一方、アイトロンはホームエネルギー管理の領域で、グーグルとも共同作業を行っていると2009年5月に発表した。
グーグルはホームエネルギーマネジメントシステム(HEMS)の世界でリーダーを目指しており、2009年末に、PowerMeterと呼ぶWEBアプリケーションを発表すると予想されている。

5.1.5 ランディス+ジル:Landis+Gyr

ランディス+ジルはアドバンストメータリング(AMI)の世界でトップ3の会社の1つ。AMRおよび、より古い世代のメーターを含めると、同社のメーターはこれまでに全世界で3億台設置されている。

ランディス+ジルも、アイトロン同様、アドバンストメータリング・インフラを構成する2つの要素を備えている:すなわち、スマートメーターと、双方向データ通信を支援するのに必要なネットワーク通信システムである。
ランディス+ジルの家庭用、業務用および産業用のメーターは、ネットワーク通信システム同様全世界で提供されている。
従業員数は5,000人以上で、600人の常勤の研究開発者を有し、5大陸にまたがる全世界30か国で営業活動を展開。
また、他のスマートグリッド分野として、下記の領域に関しても製品・サービス展開を行っている。
①ネットワーク管理/グリッド最適化、
②配電自動化と、
③家庭用エネルギー管理。

【展開

ランディス+ジルは、現在のところ、北米で主要な公益企業4社とAMI契約を結んでいる:
①テキサス州の公益企業Oncor Energyとは、3億6000万ドル(300万台のスマートメーターおよびネットワークの通信システム)の契約
②PG&Eとはおよそ2億5000万ドルの契約で、およそ250万台のメーターを設置する。
③中部大西洋の公益企業Pepcoの親会社PHIとは、2009年3月に約100万台のスマートメーター設置契約ができたことを発表(当該地域全体では、190万人の需要家がいると見積もられているが、PG&Eとの契約同様、一部は、GEからスマートメーターが供給される)
④2009年6月、AEP Texasとの契約(70万台のスマートメーター展開)が発表されている。

【アナリスト メモ】

ランディス+ジルは、最近波に乗っており、過去18か月で、3つめの主要な北米の公益企業規模の契約をとりつけた。PHIとの取引は、GEおよびシルバースプリング・ネットワーク他を含むスマートグリッド・オールスターズでの受注となった。公益企業との契約が、パイロットテスト段階から実運用を目指した原寸大の展開に移行してきており、従来の競合会社は、その契約を独り占めしないで、モジュールに切り分け分担受注する傾向が出てきている。

【競合】

アドバンストメータリング分野では、アイトロン、GE、センサス、エルスターおよびエシュロンが競合相手である。
AMI通信ネットワーキング分野では、主としてシルバースプリング・ネットワーク、エカ・システムズ、アイトロン、エルスターおよびトリリアントが競合相手である。

5.1.6 センサス:Sensus

センサスはAMIメータリングとそのネットワークを提供する会社だが、アイトロンやランディス+ジルのような大型プレーヤーと異なり、より単純な技術を使用している。
すなわち、RFメッシュネットワークに依存する代わりに、スマートメーターから最寄りの50~600フィートの高さのラジオ電波塔までデータを飛ばし、そこから電力会社にデータを伝送する仕組みを採用している。
メーター・データ計測用として認可された周波数帯を使用し、競合会社のシルバースプリングやトリリアントのような共同利用周波数帯は使用していない。
センサスは、データ収集およびメータリング・ソリューションに関して、長年使用され保証済みの技術を用い、電気ばかりでなく、水道、ガス、熱使用量の自動検針(AMR)およびアドバンストメータリング・インフラ(AMI)システムの両方を包含する包括的なメータリング通信システム・ソリューションをグローバルに提供している。

【AMIソリューション

提供するFlexNet AMIソリューションは、通信射程距離、冗長性、回復力、修復性および信頼性に優れた技術を顧客に提供している。FlexNetは、連邦通信委員会(FCC)で認可された周波数帯の優先使用権を保持しており、地形に関わらず、田舎や郊外の需要家の電気、ガス、水道利用データを公益企業に提供できる。
FlexNetは、幅広い終端デバイスとの通信を可能とし、運用から戦略プラン立案まで公益企業のシステムとシームレスに連携可能で、先進技術導入による技術リスクを回避し、コストを低減、柔軟な料金体系やデマンドレスポンス実施を可能にし、将来を考慮する公益企業の運用・保守・効率改善に寄与。シンプルで信頼度が高く、業界標準を上回るパフォーマンス。マルチベンダー対応し、スケーラブルで、将来に亘って安心して使用できる。2009年2月、IPベースでの運用もできるようになった。

展開】

今後5年間、430万顧客にAMIメーターを設置し、ネットワークを構築する契約をSouthern Company社と締結。同社の子会社が、地域の顧客に対する新たなスマートメーター・プログラムに着手すると同時に、FlexNet AMIソリューションを配備する予定だが、これは、北米公益企業のAMI展開のトップ5に入るものである。(他の4つは、PG&E、AEP、FP&LおよびSCE)
その他にも、センサスはオレゴン州ポートランドで80万台のスマートメーター・プロジェクトを受注。2010年に完了予定である。2008年12月には、2009年~2015年で43万台のスマートメーターを設置するAMI契約を受注したが、現在ハワイ州の規制機関の承認待ちとなっている。
(注:オアフ、マウイおよびハワイ島に合計19本のタワーを中心とした高度な、双方向無線ネットワークを構築予定)

以上、5.1節のアドバンスメータリングの主要プレーヤーについてご紹介しました。折角ですので、GTMリサーチのスマートグリッド・マップ上で、これらのプレーヤーの占める位置を確認しておきましょう。

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