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Goods train passing over Flodder Beck viaduct

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第3章:どうすればスマートガレージを実現できるか?

何が、車、グリッド、建物をシームレスに統合しようというスマートガレージのビジョン実現の障害になっているのだろうか?驚いたことに、最大の障害物は技術的な問題ではない。ほとんどの、スマートガレージの礎となる技術-リチウムイオン・バッテリー、スマートメータリング、無線通信、充電装置など-は、すでにV1Gを実装するには十分成熟しているのである。問題は、それらを消費者が使えるようにする取組みが遅々として進まないことだ。多岐にわたる技術の実装のコーディネーション、通信のように一部は既存技術を適用しながら、新しい技術と整合性を保つようにしなければならないこと、そして、システムの利害関係者すべてが利益を享受し活発に参加できるように、このシステムを注意深く設計するのは、そう容易いことではない。 バリューチェーンをまたがった共同作業が不可欠であり、そのような共同作業自体に困難が潜んでいることもある。RMIでの事前リサーチの過程で、実に数百の障害が洗い出されていた。ところが、シャレットでの議論が進むにつれ、(新たに見つかった重大障害もあるが)大多数はふるいにかけられ、少数の主要な障害に絞り込まれたのである。図11に、それら主要障害を示す。 図11.スマートガレージ実現の障害トップ5  title 図11拡大 【解決策の検討】 シャレットでは、図11に示したトップ5の障害それぞれについて更に深掘りし、障害を克服するための解決策が考えられました。そして、それを成功させるための戦略を策定し、その戦略を遂行するプロジェクトはいかにあるべきかが検討されました。「スマートガレージ-3:エグゼクティブサマリ」で紹介したが、その時の検討のまとめです。 ここでは、5番目の障害について、深掘りしたプロセスを追ってみたいと思います。 【スマートガレージ実現のための標準通信規格の検討】 コンピュータの世界同様、時代の最先端をいくスマートガレージにとって、このビジョン実現のための標準規格は存在しない。しかし、多くのxEVと多くのEV充電ステーション、そしてその背景にあるビリングその他の情報処理システムが、互換性がなく林立してしまうのは、xEVを使う側も、自分のxEVに適合する充電ステーションでしか充電できず不便だし、たとえハードウェア的には互換性があっても、別の県/州/国では異なる課金システム/会社で運営されている充電ステーションの場合、充電できず、xEVでは近隣のドライブしかできない状況に陥ってしまう。標準規格を早く策定して欲しいが、特に、米国では州ごとに規制が異なるので、充電ステーションとしてのセキュリティ/安全性も視野に入れた標準規格を策定するのは、そう簡単ではない。 こういう状況にはあるものの、シャレットでは、この障害の解決を目指して、3つの戦略を考案した。 戦略1:スマートガレージ用の標準通信規格は、非互換が発生しないよう厳密にしなければならないが、同時にイノベーションが入り込む余地を残した柔軟性を持ったものとする 戦略2:標準規格団体が標準規格を策定するのを待つのではなく、WiMaxのように、デファクト標準が出来上がれば、それをベースとしてスマートガレージの標準規格を考える 戦略3:スマートガレージの通信規格に関連しそうな標準規格作成プロセスを現状調査し、スマートガレージにも適用できるよう、標準規格作成機関を支援する 【通信関連の標準化動向】 現在進行中の、スマートガレージに関連しそうな通信標準策定プロセスには以下の3つがある:

1)SAE J2836:SAE(http://ja.wikipedia.org/wiki/SAE) が定めようとしている、車と電力網との接続の標準

2)SAE J2847:EV充電に当たって、TOUレート適用やデマンドレスポンスなどのユースケースを定義しようとしており、J2836の標準策定のベースとなるもの

3)SEPアライアンス(旧ZigBeeアライアンス)のSmart Energy Profile v2.0:電力だけでなく、エネルギー(AMI/スマートメータリングでカバーする電気、ガス、水道、熱供給)の供給制御とHAN(ホームエリアネットワーク)と連動したデマンドレスポンスや、更に進んだ電力需給逼迫時グリッドからの家電機器遠隔制御までを含む、エネルギー管理機器に向けた無線通信プロファイル仕様

自動車メーカーはSAEの標準に従わなければならないが、SEPアライアンスの定めた標準に従う義務はない。 図19は、これらの標準を意識しつつ描いた、スマートガレージの充電インフラの絵姿である。 図19.スマートガレージの通信標準のスコープ 図19拡大 title 今回は、Smart Garage Charrette Report 第3章からワークショップでスマートガレージ実現に向けて、どのような検討がなされたかを特に通信標準の問題に焦点を当てて、ご紹介しました。 次回は、第4章の内容をご紹介します。