Winter reflections in The River Delph – The Ouse Washes near Welney

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とうとう、米国最高裁の判決が下ったようです。

本日は、UtilityDIVEの最新記事「Supreme Court upholds FERC Order 745, affirming federal role in demand response」をかいつまんでご紹介します。

米国最高裁、FERCオーダー745を支持。DRに関する連邦政府としての役割を確認

2016年1月25日 Gavin Bade

米国最高裁判所は、月曜日(1月25日)、連邦エネルギー規制委員会(FERC)が制定したFERCオーダー745は、連邦電力法(Federal Power Act)の下でFERCに付与された権限の範囲内であるとの結論を出した。
すなわち、FERCに、電力卸売市場でのDRプログラムの規制権限があるとの結論を下したのである。

2014年5月、ワシントンDCの高等裁判所は、電力小売市場に対して規制を行なう州規制機関の権限を侵すとして、FERCオーダー745に対して無効判決を下したが、最高裁の裁判官達は、FERCオーダー745が間接的に小売市場に影響を与えるものであったとしても、それ自体は卸売市場におけるDRプログラムを規制するもので、FERCに与えられた権限を逸脱するものではないとして、6対2の評決で、高裁の判決を覆した。

高裁判決後、GTM Researchは、高裁によるFERCオーダー745無効判決は、最高裁の判断にも影響し、DRの成長率が半減する可能性があると示唆していたが、予想に反して、FERC及びDRプロバイダーの勝利に終わった。

本日は、以上です。

大方の予想通りとはいえ、DRアグリゲーターのみならず、PJMのようなDR資源調達側も、これで枕を高くして寝られることでしょう。

ただ、FERCオーダー745がFERCに付与された権限範囲内かどうかという議論に結論は出たものの、本来議論されるべきだった(?)、DRの価値、すなわち、「DR資源への対価と発電資源への対価は対等であるべきか」に関しては、別の場でもう一度議論されてしかるべきかもしれません。
これは、大口DR資源提供者であるアルミ精錬会社Alcoaの方に聞いたご意見ですが、「エネルギー市場、リアルタイム市場に提供するDR資源は、電源と等価に扱われるべきだが、容量市場に提供する我々のDR資源に関しては、結果的に使われるか使われないかにかかわらず、いつでも資源提供できるように準備が必要な電源と同じ対価を得るのは少々気が引けている」とおっしゃっていたのが印象に残っています。

なお、「FERCオーダー745の顛末」シリーズは、今回をもって終わります。

終わり