OpenADR 2.0aスマートグリッド標準の検証終わる

2012年5月24日

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前回に引き続き、OpenADRアライアンスのホームページのプレスリリース記事から、OpenADR2.0のニュースをお届けします。例によって、全訳ではないことと、一部超訳になっていることをご承知おきください。

では、はじめます。


OpenADR 2.0aスマートグリッド標準の検証終わる

2012年4月25日

NISTがスマートグリッド相互運用性関連標準規格の1つに指定したOpenADRという自動デマンドレスポンスの開発促進・普及を図るNPO団体OpenADRアライアンスは、このたびサーバー・クライアントベースのOpenADR2.0aプロファイルのテストに成功したと発表した。

OpenADRアライアンスでは、過去6ヶ月、何度かにわたって相互接続試験(プラグフェスタ)を開催してきた。そこで、アライアンスメンバーのQualityLogic社が新たに作成したOpenADRテストツールを使用し、ハネウェル社の1部門となっているADRサーバ・メーカーのAkuacom社、DRアグリゲーターのEnerNOC社、セキュリティ・エクスパートのIPKeys Technologies社およびOpenADR対応の通信ユニットを提供するUniversal Devices社が、サーバー・クライアントベースのOpenADRのテスト・改良を重ね、自動デマンドレスポンスのコスト低減、信頼度改善、速度向上に努めてきたが、これは、そのテストが完了したことを宣言したものである。

OpenADR 2.0技術は、標準化団体OASISが、カリフォルニア州での自動デマンドレスポンスで活躍したOpenADR1.0をベースにして作成したものだが、OpenADR1.0では、OpenADR準拠の製品であるかどうかの検査ツールや、認定を行う機関が存在しなかった。
OpenADRアライアンスは、OpenADR2.0が自動デマンドレスポンスの標準として使われるために相互運用性を担保するべく、アライアンスメンバーのInterTek社をOpenADR認証機関として公認したが、OpenADR2.0準拠を謳う製品が、OpenADR2.0標準を満たしているかどうか認証するには、そのためのテストツール、テスト環境が必要である。今後は、検証の終わったQualityLogic社のテストツールを使うことで、OpenADR2.0製品の認定がやりやすくなる。

今回、3つのVEN(Virtual End Node:クライアント)と、2つのVTN(Virtual Top Node:サーバー)構成のテスト環境を構築し、180以上もある広範なテストが行われた。InterTek社は、今後認定試験対象の製品をテストするにあたって、今回のテストで使ったテスト環境を使用する。

なお、このテストは、テネシー州ノックスビルで、電力中央研究所(EPRI)が主催した自動デマンドレスポンスおよびアンシラリーサービス・デモプロジェクトのキックオフミーティングと同期して行われたので、このEPRIイベントに参加した電力会社、系統運用者および規制当局は、OpenADR2.0a準拠の最初の製品を目にすることができた。

以上、今回は非常に短いですが、OpenADR2.0関連のニュースをご紹介しました。

「OpenADR2.0aプロファイル」の詳細が分からなかったので、調べていたのですが、

• OASISが作成した「Energy Interoperation Version 1.0(EI1.0)」のドキュメント中では、「OpenADR2.0a profile」のような表現がない
• OpenADRアライアンスの中に「OpenADR Alliance Profile Working Group」という組織が存在している
• OpenADRアライアンスが公開している資料「Enabling The Standard for Automated Demand Response -Understanding OpenADR 2.0-」の25ページに「Certification & Testing」として以下の図が掲載されています。

出典:OpenADRアライアンス (赤枠は筆者)  図の拡大

ここから、認証試験メニューとしてOpenADRアライアンスではいくつかのパターンを考えており、OpenADR2.0aプロファイルというのは、EI1.0の定義で言うと、Simple ProfileのEiEventについてのみの、サーバーとクライアント側の認証試験メニューだと思われます。

なお、カリフォルニア州サンタクララで今日(5月24日)まで開催されているConnectivity Weekに関連して21日にOpenADR BootCampというセミナーが開催されており、ちょうどOpenADR2.0a, b, cのプロファイルの違い(Differences of OpenADR 2.0a, b, and c Profiles)等を説明してくれているようですが、残念ながらセミナー資料は見つかりませんでした。

次回から、いよいよ、OpenADR2.0を何回かに分けてご紹介していきたいと思います。EiEventやVTN/VENも、その中で説明したいと思います。

終わり

NVエナジーのHEMS連動デマンドレスポンス・プログラム

2012年5月19日

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前回の「OpenADR 2.0標準、自動デマンドレスポンスの普及を加速」で、カリフォルニア州以外でもOpenADRを採用する動きが出てきていることをご紹介しました。 その1つにネバダ州のNVエナジーが挙げられていましたが、Smartgridnews.comにちょうどNVエナジーの記事「NV Energy rolls out first-ever HAN-based demand response program」がありましたので、一般家庭向けデマンドレスポンス・プログラムの事例紹介ということで、取り上げました。

例によって、全訳ではないことと、一部超訳になっていることをご承知おきください。

では、はじめます。

NVエナジー、史上初のHEMS連動型デマンドレスポンス・プログラムを本格展開

 2011年12月19日 Jesse Berst

今、全米の電力会社はNVエナジーのスマートグリッド・プロジェクトに目をくぎ付けにされている。
そのプロジェクト全体からすると、ほんの一部にすぎないが、一般家庭を対象とし、ダイナミック電力料金を利用したデマンドレスポンス(DR)の本格導入を始めたからである。それも、DR対応HEMSと連動した形で、である。

NVエナジーはネバダ州域45,592平方マイルに住む住民240万人に電気を供給しており、14.5万人にガスを供給している。ラスベガスはじめ、ネバダ州域は猛暑に見舞われるので、NVエナジーは厳しい夏場のピーク対応に迫られており、先進的なデマンドレスポンスとダイナミック料金制を導入した。

 ネバダ州のスマートグリッドプログラム

ネバダ州のスマートグリッドプログラムは、期間:2010年から2012年までの3年間、プロジェクト予算:3億300万ドル。内、1億3900万ドルは米国政府の補助(stimulus grant)である。 このプロジェクトでは、以下に示す技術を暫時拡張・統合していく計画となっている。

• 通信網:FAN(フィールドエリアネットワーク)およびHAN(ホームエリア・ネットワーク)
• スマートメーター
• メーター・データ管理(MDM)
• デマンドレスポンス管理(DRM)
• 顧客ポータル
• NVエナジー社のシステムとの統合

システム構築に当たって、Sensusの通信システム及びメーター、ItronのMDMシステム、UISOLのDRMシステム、Control4のHAN技術が採用され、IBMのWebSphereが、それらの技術と、従来のNVエナジー社のシステムを統合していく。

 進捗状況

NVエナジーは、2011年末までに75万顧客へのメーター設置を終了し、主要システムはすべて稼働中。顧客ポータルも稼働しており、最小15分間隔で、電力使用量や課金情報を表示できる。
最新のDRプログラムについては、NVエナジーの社員宅を利用したテストを行っている段階だが、2013年1月1日には、規模を大幅に拡大してダイナミック価格を利用したDRプログラムを始める準備をしている。
しかし、これらのシステムとインフラは、スマートグリッド・プロジェクトのほんの一部に過ぎない。ハードウェア、ソフトウェア面ばかりでなく、事業としての体制の整備:顧客サービス・オペレーション、変更管理、社内部門間のコミュニケーション、セキュリティ、規制当局への報告なども非常に大切であり、積極的に取り組んでいる。
サンディエゴ・ガス・アンド・エレクトリック(SDG&E)やポートランド・ゼネラル・エレクトリックのようなスマートグリッドのパイオニアをモデルアドバイザーとし、それらスマートグリッド開拓者を研究した後、NVエナジーは、6段階からなる計画を発表した:
1. セキュリティ対応
2. データ・プライバシーと健康への懸念の対応
3. 正確さの検証
4. スマートメーターの設置
5. システム検証
6. 所有権

以下に、それぞれの内容を概説する。

1. セキュリティ対応

すべてのメーター、サーバーから、通信タワーにわたるまで、完全に暗号化されたネットワークを構築する。その後、第三者によるセキュリティ脅威の評価を行うため、ハッカーによるシステム侵入を試みさせ、見つかったセキュリティホールを塞ぐ。

2. データ・プライバシーと健康被害の懸念への対応

次は、消費者が懸念するデータのプライバシーと健康被害の懸念への対応である。 従来のプライバシー保護の観点だけでなく、スマートメーターが発する電波による健康被害を心配する消費者にどう対応すべきか、現在検討中である。

3. 正確さの検証

 自動検針の正確性を担保するため、最初の月は、自動検針値と検針員による検針値を突き合せ、不一致がないか検証する。 さらに自動検針値の正確性を検証するべく、ネバダ大学と契約を結んでいる。

4. スマートメーターの設置

これに関しては、スマートメーターの導入に成功したSDG&Eのアプローチ(以下のステップ)を採用した:
・ 設置の60日前:設置対象家庭にスマートメーター設置に関するキャンペーン情報を提供する
・ 設置まで30日以内:ダイレクト・メールでメーター設置を通知
・ 設置まで5日以内:電話によりメーター設置を通知
・ 設置一日前:個別にビラを配布
・ 設置後:アンケートで満足度を調査。

5. システム検証

次のステップは、通信システムのテストと暗号化に関するテストも含め、システムを完全にテストし、データを使用し始める前にデバッグすることである。 このシステム検証テスト完了後、顧客はオンライン・ポータルへのアクセスが可能となる。

6. 所有権の移譲

NVエナジーの最終目標は、「エネルギー消費のデータの所有権を顧客に移譲する」ことである。
※ここで、「所有権」というのは、制御およびカスタマイゼーションを言い換えたものである。
NVエナジーの全ての顧客は、(15分間隔での)電力消費をポータルで把握できることに加えて、下図で示したように、

①今日までの今週の電気代、
②使用電力量が指定したkWh値を超えるとメール通知するかどうか、
③使用電気代が指定した値を超えるとメール通知するかどうか

に関して警告メールのカスタマイズが可能となる。

更に進んだDRプログラムに参加する顧客には自動DR用のツールが提供される。

 顧客参加の勧誘

DRプログラムに参加する顧客には、自動エネルギー管理処理に対して顧客の好みを反映できるHEMS(ホーム・エネルギー管理システム)が提供される。例えば、顧客は、DRイベント発生時間帯に、電力会社側がどの程度エアコン度温度設定を上昇させても良いかを設定しておくことができことができる。

提供される最初のシステムには、スマートメーター、温度設定の事前プログラムが可能なサーモスタットに無線で通信するControl4社の EC-100(4.7インチのカラー・タッチ・スクリーン付き。下図参照)が含まれている。

DR対応のHEMS実展開は、米国でもこれが初めての試みである。
現在、65,000人の家庭に双方向通信ができるサーモスタットが設置されており、そのサーモスタット経由でエアコンなど、合計するとおよそ150MWの発電所相当の設備容量が、ピーク需要削減可能な「ネガワット」電源として登録されている。NVエナジーでは、更に新たなHEMSを使用して、今後数年にわたって、参加者を2倍にしようと目論んでいる。

 既に見え始めた効果

このプロジェクトの効果はすでに出始めている。
例えば、NVエナジーは、新築や引っ越しなどで生じるメーターの開閉作業のため、年間100万回現地に作業員を派遣してきたが、スマートメーターを遠隔開閉できるようになり、その作業がなくなった。その上、メーターの開閉に際しては、多くの厳格な規則が存在するが、それらの規則をメーター遠隔開閉処理に組み込むことにより、作業員によるメーター開閉作業で発生していた、規則を順守しない事態を排除することができるようになった。
スマートメーターの全面展開が終わったら、次のステップとしてNVエナジーは配電自動化、停電管理その他、系統信頼度を改善し、かつ顧客満足を増加させる新たなインフラへの投資を計画している。

これまで弊ブログでは、EPRIの調査データや、EnerNOCとComvergeのデマンドレスポンスに関する業績比較等を通じて、米国でのデマンドレスポンスのトレンドとして
• 一般家庭向けではなく、大口需要家向けデマンドレスポンスが成果を上げている
• 電力会社主導ではなく、DRアグリゲーターや、今後はビルの省エネサービスプロバイダーがDRビジネスを牽引していくことになるかもしれない
ということを報じてきましたが、電力会社主導の一般家庭向けデマンドレスポンス、しかもHEMS連動ということで、NVエナジーのDRプログラムをご紹介しました。
Tendrilのサービスメニューにも「HAN-based device control for thermostats」というような記述がありますので、Smartgridnews.comの記事タイトルにある『史上初(first-ever)』というのは言い過ぎのような気もしますが、NV エナジーの今後の動向には注目したいと思います。

終わり

OpenADR2.0標準、自動デマンドレスポンスの普及を加速

2012年5月13日

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SEP2.0はいつになるのかわかりませんが、OpenADR2.0が本格的に動き出そうとしています。

今回は、「OpenADR 2.0 Standard Will Fuel Automated Demand Response」というタイトルで4月27日、Pike Research Blogに掲載されていた記事をご紹介します。

例によって、全訳ではないことと、一部超訳になっていることをご承知おきください。

では、はじめます。

OpenADR 2.0標準、自動デマンドレスポンスの普及を加速

Marianne Hedin  2012年4月27日

従来行われてきたデマンドサイドマネジメント(DSM)では、人手に頼ったアプローチが取られてきた。系統の需給バランスをとるために、個々の顧客サイトのオペレータが、照明を消したり、空調を止めたり、その他の電力負荷機器を手動で操作していたのである。
自動デマンドレスポンス(以下自動DR)システムは、この前近代的なアプローチを塗り替えるもので、電力会社または、系統運用者や負荷削減サービスプロバイダ(Curtailment Services Provider:CSP)からの(系統需給ひっ迫度合いや系統トラブルなどの)イベントや、(系統の電力需要逼迫度に応じて変化する)電力価格の信号に数秒~数分以内に自動応答する。これは、産業用の大口需要家向けに、一部実施されてはいたが、広く使われてはいなかった。しかしながら、特定のメーカーに依存せず、オープンな通信標準に基づくOpenADRと呼ばれる標準の出現が、状況を一変させようとしている。

米国のローレンス・バークレー国立研究所(LBNL)のデマンドレスポンス研究センター(DRRC)が開発したOpenADRは、廉価で、スピーディー、信頼度の高い通信インフラを構築するための標準である。
インターネットのような既存の共通通信技術を利用して、電力会社や系統運用者等は、顧客サイトのBEMS(ビルディング向けエネルギー管理システム)と、直接DR信号をやり取りすることができる。

2005年、パシフィック・ガス・アンド・エレクトリック(PG&E)が、そのパイロットテストに成功したのを受けて、2007年、カリフォルニア州公益事業委員会(CPUC)は、同州の3大電力会社に対して、OpenADRの適用を要請した。このカリフォルニア州のDRパイロットテストを通して出来上がったローカルDR標準OpenADR1.0は、2009年、標準化団体のOASISに寄贈され、晴れて国内標準OpenADR 2.0が出来上がった。
OpenADRは、カリフォルニア州で先行して用いられてきたが、米国内の他の州でも電力会社や系統運用者が採用している。
例えば、アラスカ州のシアトル市営電力や、ネバダ州のNVエナジー、フロリダ州タラハシー市、オレゴン州のボネビル電力事業団。つい最近ではハワイ州のハワイアン電力でOpenADR採用が決まり、出力変動の大きな再生可能エネルギーを系統接続するに当たって、DRの有効性の評価をハネウェル社と実施中である。更に、国外では、カナダやスペインでソフトウェア会社がテストしており、中国と英国の電力会社もハネウェルの協力の下でパイロットテストを実施している。

自動DR市場でOpenADRという一つの標準が採用されるのは、技術開発コストを低減するばかりでなく、自動DRツールのメンテナンスを含むサービスコストも低減できるので、非常に喜ばしいことである。これまでのところ、60社を超えるビル管理のベンダーが、OpenADRを備えた製品を開発している。

また、OpenADRは、DSM時代のピーク削減に比べて信頼度・予測性の改善につながる。なぜなら、インターネット・ベースのインタフェースと通信標準を使用することで、従来電力会社の人間と、顧客サイトの設備管理者の間で行っていた伝達ゲームにおけるミスコミュニケーションを回避できるからである。
更に、メッセージ・フォーマットの標準化は、DRシステムの相互運用性、効率および信頼度を増加させる。

これらを鑑みて、米国標準技術研究所(NIST)および連邦エネルギー規制委員会(FERC)は、OpenADRをスマートグリッドの主要な標準の1つに認定した。また、電力業界全体で、この標準を開発・採用・順守するべく非営利団体OpenADRアライアンスが結成された。
同アライアンスのマネジメント・ディレクターであるBarry Haaser氏によると、OpenADR 2.0には、地球規模で自動DRを普及促進するポテンシャルがあると述べている。

OpenADR2.0については、現在、上記のブログでも言及されている標準化団体OASISのEI(Energy Interoperation) 1.0のOpenADR2.0プロファイル部分を読み進めているところですが、ご紹介するにはもう少し時間が必要です。

なお、今回のブログの原文では、冒頭DSMと訳している部分を、これまでのデマンドレスポンスプログラム(Demand response programs to date)のように表現しています。
スマートグリッドと関連してデマンドレスポンスが語られる際、従来のDSM(マニュアルによる負荷削減で電力会社主導)対DR(CPPのようなダイナミックな時間帯別電気料金制度を利用して需要家の意思主導での負荷削減)のパターンが多かったので、そのように意訳しましたが、今後はデマンドレスポンスプログラムというと、狭義のDRだけでなく、従来のDSMや、直接負荷制御、更には電力取引所でのネガワット取引や、リアルタイム市場でのアンシラリーサービス取引も含めて捉えた方が良さそうですので、お気を付けください。

終わり