Photo from : http://www.ibm.com/smarterplanet/us/en/sustainable_cities/ideas/index.html?re=spf

少しアップするのが遅くなってしまいましたが、去る2月23日(日本時間では、24日の深夜12:45~4:45)、IBMがWEB上で開催したカンファレンス:Smarter Citiesに顔を出しましたので、その報告です。

(1) ログイン後の画面

IBMは従来からコンセプト先行ですが、スマートグリッドの世界でも、インテリジェント・ユーティリティー・ネットワーク(Intelligent Utility Network:IUN)と言っていたのが、一挙に視野を拡大して、『Smarter Planet 地球を、より賢く、スマートに』となりました。ただ、これでは何をどうするのか良くわからない。上記のログイン後の画面にもあるとおり、「街ごとにSmarter Planetを作り上げていきましょう」ということで、Smarter Cityというビルディングブロックが出来上がったようです。『Smarter Citiesは、Smarter Planetを都市という観点でとらえて持続可能な都市や地域の実現を目指すものであり、理解しやすいように具現化したもの』ということのようです。 

(2)General Sessions

(1)の「Today’s Agenda」から、このWEBカンファレンスのアジェンダを見ることができるのですが、興味があったのは、当然(?)、Smarter Energyのコマです。
そこで、とりあえず、講演資料をダウンロード

(3)Networking Lounge

セミナーが始まるまで時間があったので、(1)の画面の「Networking Lounge」をクリックすると、TwitterやLinkedInへのリンクが張られており、このWEBカンファレンス開催前から、テーマごとにディスカッションの場が提供されているようでした。

(4)TheSmarterCity Interactive Experience

(1)の画面で「TheSmarterCity Interactive Experience」をクリックすると、このページに移り、WEBカンファレンスとは別に、IBMの考えるTheSmarterCityの概要を見ることができますので、興味のある方は覗いてください。なかなか良くできています。

(5)その他のリンク

(1)の画面下のオビも、様々なページにリンクしていますが、「Private Chats」に入ると、IBMのご担当(?)の方が話しかけてくださいました。質問をする良い機会ではあったのですが、すでに深夜で、頭の中が英語でチャットするコンディションではなかったので、退室。

セミナー内容自体について

そうこうしている内にSmarter Energyのプレゼンが始まったのですが、睡魔には勝てずにダウン。一応資料だけはダウンロードしておいたので、内容を簡単に紹介すると:

  • 講演タイトル:PHI’s Plans -Smart Grid/Smart City
  • 講演者:ダウンロードした資料上はPEPCO HOLDINGS,INCのChairman, President & CEOであるJoseph Rigby氏ですが、紹介されたのはTodd McGregor氏
  • 講演内容概要:PEPCO HOLDINGS, INC(PHIと略)のスマートグリッド展開に紹介ということでしたが、実際にはAMIの展開事例報告。
  • 講演内容:使用したスマートメーター:GE および Landis+Gyr
    ・使用したAMI:Silver Spring Networks社のAMIソリューション
    ・使用したMDM:Itron社のEnterprise Edition Meter Data Management System
    ・システムインテグレーター:IBM
    ・展開スケジュール:2009Q4デラウェア州へのスマートメーター展開を開始し、2010Q1から準じ運用開始。2010Q4からワシントンDCおよびメリーランド州へのスマートメーター展開を開始し、2011年Q2から順次運用開始。
    ・当初の導入機能:
  1. スマートメーター設置の自動展開(メーターの調達、受容れ、設置、AMIデータ集約器との設定などの自動化)、
  2. AMI&MDMのPHIのビリングシステムとの連動、
  3. 停電管理システム連動、
  4. 負荷分析システム連動した、顧客向け電気・ガス使用プロファイル、ガス・電気代などのWEB上での情報提供、
  5. CSR情報収集にも利用できるAMIポータル
  6. ワシントンDCで「PowerCentsDC」というデマンドレスポンスのパイロットプログラムを実施中で、780戸が参画中。
  • 導入コスト:メリーランド州$209.6M、ワシントンDC$89.2M、ニュージャージー州$37.4M (米国エネルギー省が導入コストの半額を負担)

以上、実際にセミナーを聞かなかったので、資料を見た限りは、単にスマートメータリングの導入事例報告で、Smarter CitiesましてやSmarter Planetというには少々物足りない感じがしました。

ただ、スマートグリッドが電力会社の都合で行われるものではない。地域のエネルギー供給ばかりでなく、交通渋滞解消によるCO2削減など、社会システムとして捉えるべき。

という点で、日本の次世代エネルギー・社会インフラ協議会の中間取りまとめとIBMのビジョンの方向は一致しており、今後のスマートグリッドを考える上で、社会インフラという観点ははずせないものだと感じました。

また、GE および Landis+GyrのスマートメーターとSilver Spring Networks社のAMIというと、ベーカーズフィールド問題を引き起こしたのと同じ組み合わせ。起きて聴講していたら、その辺で問題が出ていないのか質問してみたかったですね。

以上