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あけましておめでとうございます。

年末は、しばらく更新できていませんでしたが、おかげさまで、このブログも、月間20万回アクセスしていただくまでに成長しました。

本年もどうぞよろしくお願いします。

さて、前回は、OpenADRの歴史を紐解きましたが、それから、かなり時間が経ってしまいましたので、この「デマンドレスポンス(以降、DRと略)」のブログ・シリーズを最初から振り返ってみたいと思います。

まず、DR-その1では、従来からあったデマンドサイド・マネジメント(DSM)とDRでは何が違うのかを調べました。手短に言うと、

1) DSMでは、電力需給バランスを取るに当たって電力会社が主体となり、需要側(デマンドサイド)を管理(マネジメント)するのに対して

2) DRでは、電力需給バランスを取るに当たって需要家が主体的に電力会社の需給調整の要求(デマンド)に応じる(レスポンスする)

のが、大きな違いといえると思います。
また、「需要抑制」ではなく「需要喚起」の手段としてDRを使うとしても2020年型日本版スマートグリッドでは、DRの出番が来ないだろうということを確認しました。

DR-その2では、電力中央研究所の講演会資料を元にして、なぜ2020年型日本版スマートグリッドではDRの出番がないか、逆に、将来は日本でもDRが使われる可能性がありそうだということを確認しました。

DRはスマートメーター/スマートグリッドと同時に語られるので、比較的新しい「試み」であるというような印象を持たれている方がいらっしゃるかも知れませんが、DR-その3では、スマートグリッドの出現よりずっと前、2000年には「GoodCents Select」というサービスとしてDRが商用化されていることを突き止めました。そして、更にその元をたどれば、系統運用者が、特異日の卸電力取引価格のスパイク回避策として始めた需要反応プログラム(DRP)に行き着きました。

DR-その4では、カリフォルニア州で進められたDR自動化(Automated Demand Response:ADR)の歴史を振り返り、

DR-その5で、そのカリフォルニア州でのADRフィールドテストの成果としてまとめられたOpenADRを通して、DRの標準化に焦点を当て、DRのその後の発展を見てきました。

DR-その6としては、OpenADRの仕様書を読み、その内容を紹介しようとしていたのですが、あまり細かな内容を紹介しても・・・と思い、筆が止まった状態になっていました。

また、その後(昨年12月27日)、経産省の第7回次世代送配電システム制度検討会WG1を傍聴する機会があり、そこで、経産省が推進している「次世代送配電系統最適制御技術実証事業」の中で、課題③として、系統状況に応じた需要側機器の制御技術の開発(スマート・インタフェース)が挙げられていることを知りました。これも、DRの一種と考えられますので、次回は、OpenADRの概要とあわせて、スマート・インタフェースについても分かった範囲でご紹介しようと思います。

とりあえず、年始のご挨拶と、本デマンドレスポンスのブログ・シリーズ最終記事アップに向けての中間報告でした。

終わり