The Shard and London Bridge from the North Bank
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前回に続き、OpenAI社が初の開発者会議「OpenAI DevDay」で発表された新たな機能「GPTs」について、実際に作ってみました。

最初に簡単に復習しておくと(j実は、Bingに説明してもらったものですが)、この新機能は、特定の目的に合わせてChatGPTをカスタマイズするためのもので、ボードゲームのルールを学ぶ、子供に数学を教える、ステッカーをデザインするなど、日常生活や仕事での特定のタスクを助けるために使用できます。これらのGPTsを作成するためのコーディングは必要ありません。それぞれのユーザーが自分自身、または自社内でのみ使用するために作成することも、それらを他の人々と共有することも可能です。ただし、現時点では、これらの新機能は有料のChatGPT PlusとEnterpriseのユーザーのみが利用できます-ということです。

※ChatGPTは2023年4月のトレーニングデータまで学習範囲が広がったものの、自分ではGPTsとはどういう機能か知りません。

 

今回は、まず作成したものがどのように動くかご覧いただきましょう。一般公開(Publish to Public)でGPTsを作成しましたので、GPT Plusユーザーの方は、以下のURLで実際にお試しいただけますので、お使いいただいた方の感想をフィードバックしていただけるとありがたいです。

https://chat.openai.com/g/g-Mgc3V9tX2-lingua-bridge

 

このURLを呼び出すと、以下の画面が表示されます。

 

GPTsの作り方に関しては、前回ご紹介した「【GPTs(GPT Builder)】ノーコードで自分専用のChatGPTを開発できる!使い方や活用事例を紹介」等に詳しく説明されていますので、省略しますが、GPT Builderに、「同時通訳サービスができるアプリケーションを作りたい」ということを伝えると、「Lingua Bridge」というGPTsアプリの名称はどうかとの提案がありました。

 

次に、この「Lingua Bridge」のアイコンも自動的に作成し提案してくれたのですが、提案してくれたアイコンイメージはあまり気に入らなかったので、耳と口の間で複数の言語でのやり取りがあるイメージを作ってくれるように頼んで出来上がったのが、画面のLingua Bridgeの上に表示されたアイコンです。

そして、最初は日英翻訳を想定していたのですが、せっかくだから複数の言語間での翻訳ができればと思って、GPT Builderに翻訳する言語をメニューで選択できるようにしたいというと、画面上の「Display the language selection menu.」、「Choose different languages for interpretation.」のボタンと、それに対応するGPTsのロジックをGPT Builderが作ってくれました。

 

出来栄えは、以下の通りです。

※初期画面の「Display the language selection menu.」ボタンをクリックすると、以下のようにLingua Bridgeとのやり取りが始まりました。

※ ChatGPTは、現在100以上の言語に対応していると思いますが、そんなにたくさんメニューで表示しても仕方がないと思ったのか、翻訳に自信のある言語に絞ったのか、理由は定かではありませんが、10言語間で翻訳できるアプリが一瞬に出来上がりました。

 

で、試しに翻訳させてみた結果は以下の通りです。

ここまで、この同時通訳アプリ作成に要した時間は2,3時間です。

アイコンを決定するまでに、実は何度も手直しをお願いしてしまったので、同時通訳のプロンプト本体の作成時間は2時間弱でしょうか。

最初は、日英翻訳だけと思って作り始めたので、その時は、Lingua Bridgeの説明文は、「Simultaneous interpreter in Japanese and English powered by GPT-4」としていました。

指示内容も「英語の入力を日本語に翻訳してください。日本語の入力を英語に翻訳してください。」というものでしたが、上記の通り、『GPT Builderに翻訳する言語をメニューで選択できるようにしたい』といっただけで、GPT Builderが、プロンプトをアップデートし、言語選択メニュー用のボタンも付け加えてくれました。

GPT Builderが変更した結果、プロンプトは、現在、以下のようになっています。

Lingua Bridge, as a professional simultaneous interpreter, now offers a language selection menu upon activation. Users can choose from the languages I can handle for interpretation. The menu displays the available languages, and upon a user’s selection, Lingua Bridge will confirm the chosen languages before starting the interpretation. It uses polite expressions and adheres strictly to the provided content. The command ‘通訳を始めてください’ triggers the start of interpretation with a response ‘了解しました。[Selected Languages]での同時通訳を開始します。どうぞお話しください。’ When ‘同時通訳終了’ is inputted, it confirms ‘では、[Selected Languages]での同時通訳を終了し、通常のモードに戻ります’, ending the session. This setup allows clear transitions between interpretation and normal modes, providing a seamless experience for users in various languages.

 

GPT Builderを使ってみて、改めてそのすごさを実感しました。

 

なお、せっかく多言語対応の翻訳ツールを作りましたので、いろいろ試してみました。

※ これを見るとわかるように、10種類の翻訳対象言語は固定されていないようで、まだ、プロンプトの改善の余地がありますが、10種類の翻訳対象言語をどうするかは、おいおい考えたいと思います。

※ それにしても、OpenAIの元CEOサム・アルトマン氏の突然の解任は、ChatGPTの新機能発表以上の驚きです。

 

次は、ドイツ語→日本語翻訳です。

フランス語→日本語もやってみました。

本日は以上です。

なお、LinguaBridgeという名称のサイトがすでにあり、GPT Store.AIにもLingua Bridgeというアプリが登録されているのを見つけましたので、このGPTsの名称は「AI Lingua =Bridges」に変更しました。

それと、最終的にはスマートフォンのChatGPTアプリで、このAI Lingua Bridgeを立ち上げて、スマートフォン自体をハンディ同時翻訳機にする計画です(そのため、同時通訳という言葉を使っています)が、まだ、そこまでできていませんので、完成すれば、後日発表したいと思います。

終わり