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昨年11月、「米国のスマートグリッドの標準規格の動向」で、米国国立標準研究所(NIST)の「NISTスマートグリッドの相互運用性に関する規格のフレームワーク及びロードマップ第1版(案)」をご紹介しましたが、その後、関係者のコメントを反映し、2010年1月、「NISTスマートグリッドの相互運用性に関する規格のフレームワーク及びロードマップ第1版」が正式に公開されました。現在、選定された15の優先的に行動すべき計画(PAP)を中心に、着々とスマートグリッド実現に向けた作業が進められているようです。 米国では、上記の「規格フレームワークとロードマップ案」策定時点から、電力会社や重電メーカーだけではなく、ICT事業者を含め毎回数百名のステークホルダがワークショップに参加し、ユースケースの検討をはじめ、精力的に、標準化を推し進めている感があります。この辺りに、改めて、アメリカのパワーを痛感しました。

それに比べると、欧州の国際電気標準会議(IEC)では、粛々とスマートグリッド関連の標準化作業を進めているようです。
2008年11月、スマートグリッド関連機器とシステムの相互運用性を達成するために必要な、プロトコル及びモデル規格を含むフレームワークの開発を行うことを目的とした戦略グループSG3(議長:Richard Schomberg 仏EDF)を標準管理評議会(SMB)内に設置。スマートグリッドにかかわる11の技術委員会(TC)へのアンケート調査から始めて、2011年にスマートグリッドに対する提言とロードマップのとりまとめ、欧州規格の策定予定と聞いていましたが、先月(2010年6月24日)、「IEC版スマートグリッド標準化ロードマップ:IEC Smart Grid Standardization Roadmap Edition 1.0」がSG3より公開されました。英文136ページのドキュメントです。

出典:同ドキュメント表紙およびhttp://www.iec.ch/smartgrid より

今回は、その序文および第1章「概要」ご紹介したいと思います。

では、はじめます。

序文:FOREWORD

世界中で、多くのベンダー、政策決定者および公益企業が、運用効率改善、制度設計の改善、顧客価値向上に向けて、送配電や顧客システムへのスマート技術の適用を実施中、あるいは実施しようとしている。安全で、スマートに系統電力にフル接続する技術を迅速に実装していくことが公益企業の需要家、ひいては一般社会へスマートグリッドが提供する価値の1つであり、その意味で、スマートグリッドは、系統電力を近代化する概念と言うことができる。スマートグリッドは、発電端から需要端までの電気系統に関係するすべてのものを包含している。

スマートグリッドの世界標準を規定する

IEC(International Electrotechnical Commission:国際電気標準会議)は、電気・電子技術分野の国際標準・規格を作成し、その普及を図ることを目的とした非政府機構である。2008年に新規に設置したIECスマートグリッド戦略グループ(以降、SG3)は、現在世界中で展開されている数多くのスマートグリッド・プロジェクトに対して「ワンストップ・ショップ」の機能提供を目指している。また、SG3は、スマートグリッドを構築するために必要な規格(第1版)やガイダンスをスマートグリッド・プロジェクトが容易にアクセスできるよう、WEBサイト(www.iec.ch/smartgrid)を準備している。
さらに、アクションプランに基づいて、スマートグリッドの要件を支援する包括的な世界標準のセットが矛盾なく機能するよう、関連する種々のIEC技術委員会(TC)をガイドする行動計画に基づいて活動中である。

はじまり

ブラジル-サンパウロで2008年の秋開催された会議で、IEC標準管理評議会(SMB)は、戦略グループ(SG)の1つとしてスマートグリッド戦略グループ:SG3の創設を承認した。
SG3は、14カ国の専門家から構成され、それ以来、スマートグリッドのデバイスとシステムの相互運用性を達成するためのプロトコルおよびモデル基準を含む、IECの標準化フレームワークを開発してきた。本ロードマップドキュメントは、その相互運用性実現のためのプロトコルおよびモデル基準を含んだものである。
SG3は、広く今日のスマートグリッド・プロジェクトに首尾一貫して使用できる、既存(あるいは完成間近の)IEC規格に基づいたIEC規格のフレームワークの第1版を提供するため、スマートグリッドに関連する内外の関係者にコンタクトしてきた。また、IECは、SG3との緊密な連携の下、スマートグリッドのプロジェクトマネージャー、役員および外部標準策定機関(SDO:Standard Development Organization)向けの対話型WEBサイトを開発し、すぐ利用可能な標準規格や、標準規格を最大限に利用するためのガイダンスを提供できるようにした。更に、SG3は、スマートグリッド用の「汎用参照アーキテクチャ」を開発するべく、現在、実際に業界で執り行われているユースケースの情報収集を実施している。この「汎用参照アーキテクチャ」は、今後、本ロードマップドキュメントを参照するすべての人に利用されることを期待しているものである。
こうして、スマートグリッドに関連する多くのIEC技術委員会との調整がつき、スマートグリッドの要件を満たす一組の調和の取れた世界標準を提供するというゴールに向けた行動計画が出来上がった。

新たな標準が必要か?

スマートグリッドは、そのスコープが広いので、関連する規格の範囲も非常に広く、複雑になっている。根本的な問題は、相互運用可能で安全なスマートグリッドを達成するというゴールに向けて、顧客便益を最大化するには、どのような組織および優先度付けが必要かということである。
電力業務や通信で、これまで使い込まれてきた規格やベストプラクティスが既にあり、スマートグリッドの展開促進にも容易に利用できる。ただ、採用に当たっての問題は、ハイ・レベルのスマートグリッド・システム設計者に、それらの広範囲で詳細にわたる規格への認識が不足していることと、それらを組み合わせて適用するための明瞭なベストプラクティスおよび運用規制のガイドラインがないことである。もう1つの重大な問題は、スマートグリッド・プロジェクトが、異なるグループや異なる技術委員会によって別々に開発された規格を使用する必要があるということだ。
相性のよさそうな規格同士でも、コンセプトに相違があり、結果的に互いに相容れないこともある。したがって、スマートグリッドに適用した場合に相互運用性が担保できるかどうかの実証が必要である。その後、ガイドラインを作成し、必要なら民間認定機関の設立・利用も視野に入れて、相互運用性を担保するためのメカニズムを開発する必要がある。

待望の標準フレームワーク

スマートグリッド・プロジェクトを毎回一から始め、同じような発見・間違いを犯すのは賢明ではない。また、ベンダーも、グローバルなマーケットが出来上がるかどうかも分からない分野向けに、革新的な新製品開発投資を無制限に行うことはできない。そこで、SG3では、スマートグリッド・プロジェクトのマネージャー達がツールキットとして普遍的にシームレスに使用できるフレームワークの提供を目指している。

このフレームワークには、以下のようなベストプラクティス・ガイドラインと、規格一式を含んでいる:

  • スマートグリッド・プロジェクト・ガイドライン

要件定義、設計、インデグレーション、テスト、検証といった、プロジェクト推進上常識となっているものの、必ずしも実行されるとは限らない主なステップと、境界および相互運用性の適正レベルの定義方法について記述。

  • ユーザ要件定義レベルで、一般的なユースケースとともに用いられる規格一式
  • 電気・電子技術および情報技術面のテクニカル・デザインと仕様レベルで使用される規格一式

あまりにも多くの規格がすでに存在しており、分野横断的な互換性に関して詳細な実証が望まれる。そして、互換性の検証で選考に残った規格達(あるいは規格の一部)のカタログを提供することが、このフレームワークの提供価値である。

このドキュメントは、最近実施されたIEC-SG3の作業に基づいて、「IECスマートグリッド・ロードマップ」のための標準化の要件を表す戦略的かつ技術指向のレファレンスブックのドラフト版である。本ドキュメントは、一度作成したら終わりというものではなく、今後も変更および追加があり得る。(例えば、スマートグリッド汎用参照アーキテクチャのマッピングの完成時など)それらの、変更・追加は、今後本ロードマップの改訂版に組み入れられるだろう。

このロードマップは、既存の(ほとんどがIECの)規格を、スマートグリッドへの適用という観点から吟味しなおしたものである。実際の規格と、スマートグリッドに適用するに当たっての要件のギャップ分析を行い、規格改良のための提言を付している。また、第一版公開に先立って、国内外のグループから得られたコメントをSG3でレビューし、議論した結果を反映したものである。

1.概要:Management Summary

スマートグリッドという言葉は、直近の課題として電力網の機能拡張を、長期的には将来の電力系統のあり方を示す用語である。その定義や、どこまでが関連するのかのスコープははっきりとしていないが、主な関心は、電力網を構成するすべての要素の「見える化」と制御性の向上にある。
また、電力系統を構築する様々な製品、ソリューションおよびシステムに対して、より高いレベルで、構文的・意味的な相互運用性が求められている。
更に、長期投資セキュリティや、電力系統に使用されてきた既存のレガシー・システムへの対応など、特定の要件への考慮も必要である。

この相互運用性や投資セキュリティに対応するためには、開発および投資に当たって健全な規格のフレームワークに基づくことが不可欠である。そのフレームワークは、スマートグリッドの実現を通じて得られる新たな進展と恩恵の核心となるだろう。
電気・電子技術標準化の分野で唯一の国際標準化機関であるIECは、スマートグリッドの進展と、それが社会全体にもたらす有益な効果に寄与する理想的な立ち位置を占めている。IECのスマートグリッド戦略グループ:SG3は、スマートグリッド実現に向けた標準化作業を調整する作業に取り組んでいる。その第一歩として、スマートグリッドに関連する分野を特定し、新たに発生する要件を引き出すとともに、既存の規格とのギャップをサマライズした。
第3章「スマートグリッドのビジョン」では、スマートグリッドの推進要因を検討し、スマートグリッドの簡潔な定義を与えている。また、スマートグリッドの主要要素とアプリケーションについても記述している。
第4章「IECスマートグリッド標準化ロードマップ」は、スマートグリッドの主要領域の調査結果である。通信とセキュリティに関する分野に加えて、次の話題が含まれている:

・HVDC(High Voltage Direct Current)/FACTS(Flexible AC Transmission Systems);
・停電防止/EMS;
・高度な配電管理;
・配電自動化;
・変電所自動化;
・分散型エネルギー資源;
・進化したメーターインフラ:AMI
・デマンドレスポンスとロードマネジメント;
・スマートホームとビル・オートメーション;
・電力ストレージ;
・eモビリティと状況監視

この章では、上記の個々のトピックについて、何をなすべきかの提言も付記している。
第5章では以下に示すとおり、IEC全体としてアクションすべき「一般的な提言」を記載した。

提言G-1

スマートグリッドとは何かについての、単一の統一概念はない。スマートグリッドにはいろいろな形があり得る。更に、(一朝一夕でシステム全体を総入れ替えすることは不可能なので、電力網に関わる)レガシー・システムも組み込まれなければならない。
したがって、既存の、成熟した電力業界固有の通信システムも使用できなければならない。
IECの役割は、スマートグリッドとして、さらに必要となるインターフェースや動作環境を標準化することであり、アプリケーションやビジネスモデルを標準化することではない。

提言G-2

IECは、スマートグリッド標準化に向けた作業を奨励するべきである。特に、IEC/TR 62357(Reference Architecure)の潜在的な可能性を追求すべきである。IECは、白書、プロモーションおよびワークショップを通じて、技術委員会:TC 57のフレームワークの適用をステークホルダーに通知すべきである。

提言G-3

技術的な接続基準は規格、規制および様々なローカル仕様に従う。これらの接続基準間の調停は、IECでの標準化のスコープ外である。TC 8で一般的な最低要件を取り扱うが、IECはこれらの問題の詳細な標準化を差し控えるべきである。

提言G-4

IECは、「市場」ドメインのステークホルダーとの緊密な協調を図るべきである。
この分野では、多くの専用作業が行われている。IECは、UN/CEFACT、UN/EDIFACTその他の重要な規制機関および事業者団体との緊密な協業を図るべきである。
最も有望な市況データ・システムの調査を行うべきである。そのインプットは、スマートグリッドを市場連動するよう拡張するために不可欠なものである。

提言G-5

IECは、米国NISTによって既に行われている作業、およびNISTのロードマップ作成に携わった参加者に感謝すべきである。IECは、これまで関わってきた、特定の優先分野を積極的に支援するとともに、NISTがローカルあるいはリージョナルな標準(例えばAMI、DER)を採用している分野に関して、NISTのロードマップ作成アクティビティとの緊密な協業を図るべきである。(図1参照)


図.1 IEC61850モデルと共通情報モデル(CIM)

IECは、スマートグリッドの分野に関して、すでにすばらしい標準規格を保持している。そのいくつかは、現在および将来にわたって、スマートグリッド実現のためのコアスタンダードになると考えられる。
そのようなコアスタンダードには以下のものがある:

IEC/TR 62357

電力自動化の標準のフレームワークで、SOA(サービス指向アーキテクチャー)の概念を記述

IEC 61850

変電所の統合/オートメーションに使用される通信ネットワークとシステムの規格で、変電所内通信プロトコルと、変電所内の装置・機器が持つ情報のモデル(デバイスモデル)を規定

IEC 61970

エネルギー管理システム(EMS)のAPI、情報モデル(CIM)とコンポーネントインターフェース仕様(CIS)を規定

IEC 61968

配電管理システム(DMS)のAPI、情報モデル(CIM)とコンポーネントインターフェース仕様(CIS)を規定

IEC 62351

セキュリティ

また、新しいアクティビティとしては、AMI(例えばIEC 62051-62059; IEC/TR 61334)およびDER(例えばIEC 61850-7-410: -420)とEV(例えばIEC 61851)がある。
更に、従来は標準化の対象領域外だった市場とサービスシステムのような領域がある。
これらの新たなアクティビティからも、IECで標準化すべき新しい要件が持ち込まれている。IECは、これらの分野に関係のある組織とも緊密な協業を図るべきである。

調査により、スマートグリッドに関連する100個以上の標準および標準部品が識別された。また、12の特定のアプリケーションと6つの一般的な話題について分析が行われ、今後の活動のための44の提言がまとめられた。

IECは、電気・電子技術の国際標準化組織として、スマートグリッドに関係のある規格を提供する準備が整ったが、今後、新たな課題にも応じるべきである。組織としてのIECは、従来IECのスコープ外だった分野や組織に、その協業範囲を拡大させなければならない。これらの努力を通じて、IECは、スマートグリッド標準化用のワンストップ・ショップとして機能することができる。

以上、IEC版スマートグリッド標準化ロードマップ第一版の序文および第1章をご紹介しました。

スマートグリッドへのIEC標準規格採用を優先しつつ、NISTの成果を最大限利用して効率的にロードマップを作成しようとしている様子がうかがえます。最後に、本ロードマップの第2章以降の目次を掲載しておきます。

2 Introduction

2.1 General

2.2 Purpose and Scope of the Document

3 Smart Grid Vision

3.1 Smart Grid Drivers

3.2 Smart Grid Definitions

3.3 Smart Grid landscape

4 IEC Smart Grid Standardization Roadmap

4.1 Description of Work

4.2 General

4.2.1 Communication

4.2.1.1 Description

4.2.1.2 Requirements

4.2.1.3 Existing Standards

4.2.1.4 Gaps

4.2.1.5 Recommendation

4.2.2 Security

4.2.2.1 Description

4.2.2.2 Requirements

4.2.2.3 Existing Standards

4.2.2.4 Gaps

4.2.2.5 Recommendation

4.2.3 Planning for the Smart Grid

4.2.3.1 Description

4.2.3.2 Requirements

4.2.3.3 Existing Standards

4.2.3.4 Gaps

4.2.3.5 Recommendation

4.3 Specific Applications

4.3.1 Smart transmission systems Transmission Level Applications

4.3.1.1 Description

4.3.1.2 Requirements

4.3.1.3 Existing Standards

4.3.1.4 Gaps

4.3.1.5 Recommendation

4.3.2 Blackout Prevention / EMS

4.3.2.1 Description

4.3.2.2 Requirements

4.3.2.3 Existing Standards

4.3.2.4 Gaps

4.3.2.5 Recommendation

4.3.3 Advanced Distribution Management

4.3.3.1 Description

4.3.3.2 Requirements

4.3.3.3 Existing Standards

4.3.3.4 Gaps

4.3.3.5 Recommendation

4.3.4 Distribution Automation

4.3.4.1 Description

4.3.4.2 Existing Standards

4.3.4.3 Gaps

4.3.4.4 Recommendation

4.3.5 Smart Substation Automation – Process bus

4.3.5.1 Description

4.3.5.2 Requirements

4.3.5.3 Existing Standards

4.3.5.4 Gaps

4.3.5.5 Recommendation

4.3.6 Distributed Energy Resources

4.3.6.1 Description

4.3.6.2 Requirements

4.3.6.3 Existing Standards

4.3.6.4 Gaps

4.3.6.5 Recommendations

4.3.7 Advanced Metering for Billing and Network Management

4.3.7.1 Description

4.3.7.2 Smart Grid Infrastructure

4.3.7.3 Requirements

4.3.7.4 Existing Standards

4.3.7.5 Gaps

4.3.7.6 Recommendation

4.3.7.7 Smart Metering

4.3.8 Demand Response / Load Management

4.3.8.1 Description

4.3.8.2 Requirements

4.3.8.3 Existing Standards

4.3.8.4 Gaps

4.3.8.5 Recommendation

4.3.9 Smart Home and Building Automation

4.3.9.1 Description

4.3.9.2 Requirements

4.3.9.3 Existing Standards

4.3.9.4 Gaps

4.3.9.5 Recommendation

4.3.10 Electric Storage.89

4.3.10.1 Description

4.3.10.2 Requirements

4.3.10.3 Existing Standards

4.3.10.4 Gaps

4.3.10.5 Recommendation

4.3.11 E-mobility

4.3.11.1 Description

4.3.11.2 Requirements

4.3.11.3 Existing Standards

4.3.11.4 Gaps

4.3.11.5 Recommendation

4.3.12 Condition Monitoring

4.3.12.1 Description

4.3.12.2 Requirements

4.3.12.3 Existing Standards

4.3.12.4 Gaps

4.3.12.5 Recommendations

4.3.13 Renewable Energy Generation

4.3.13.1 Description

4.3.13.2 Requirements

4.3.13.3 Existing Standards

4.3.13.4 Gaps

4.3.13.5 Recommendations

4.4 Other General Requirements

4.4.1 EMC

4.4.2 LV Installation

4.4.3 Object Identification Product Classification Properties and Documentation

4.4.4 Use Cases

5 General Recommendations

6 Appendix

6.1 Appendix – Core Standards

6.2 Appendix – Overview of IEC Standards

6.2.1 SOA – IEC 62357

6.2.2 Common Information Model (CIM) – IEC 61970

6.2.3 Information Technology – HES – ISO/IEC 14543

6.2.4 Information technology – Security – ISO/IEC 27001

6.2.5 Electrical Relays – IEC 60255

6.2.6 Electrical installations of buildings – IEC 60364

6.2.7 Power-line – IEC 60495

6.2.8 HVDC – IEC 60633 et al

6.2.9 Teleprotection equipment of power systems – IEC 60834-1

6.2.10 Telecontrol – IEC 60870-5

6.2.11 TASE2 – IEC 60870-6

6.2.12 Solar voltaic – IEC 60904 et al

6.2.13 Electromagnetic compatibility (EMC) – IEC/TR 61000

6.2.14 General considerations for telecommunication services for electric power systems – IEC/TS 61085

6.2.15 LV-protection against electric shock – IEC 61140

6.2.16 DLMS” Distribution Line Message Specification – IEC/TR 61334

6.2.17 Wind Turbines – IEC 61400

6.2.18 Substation Automation – IEC 61850

6.2.19 Hydro Power – IEC 61850-7-410

6.2.20 DER – IEC 61850-7-420

6.2.21 Electrical vehicle charging – IEC 61851 et al

6.2.22 Instrument transformers – IEC 61869

6.2.23 Power electronics for electrical transmission and distribution systems – IEC 61954

6.2.24 Distribution Management – IEC 61968

6.2.25 Energy management system application program interface (EMSAPI) – IEC 61970

6.2.26 Secondary batteries for the propulsion of electric road vehicles – IEC61982

6.2.27 Metering – IEC 62051-54 and IEC 62058-59

6.2.28 COSEM – IEC 62056

6.2.29 Fuel cell standards – IEC 62282

6.2.30 Framework for energy market communications – IEC/TR 62325

6.2.31 Security – IEC 62351

6.2.32 IEC TR 62357

6.2.33 High availability automation networks – IEC 62439

6.2.34 Security of Control Systems – IEC 62443

6.2.35 Electric Double-Layer Capacitors for Use in Hybrid Electric Vehicles – IEC 62576

6.2.36 Marine Power – IEC 62600 series

6.2.37 Functional safety of electrical/electronic/programmable electronic safety-related systems – IEC 61508

6.3 Appendix – Technical Committee / Subcommittee Involvement

6.4 Appendix – Abbreviation

6.5 Appendix – Literature

終わり